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カテゴリ:coffeehour( 49 )
to be, or not to be
コーヒーのはなしをする場所として、ブログ内にこのカテゴリがあるのですが
なんと1年半も書いていなかったと気付きました。
自分なりに考え方の変化はあったのですが、まだ途上という感があったかも。

2013年の初めに、続けて食の専門誌にご紹介いただきました。
また6月に載せていただいたGINZAでは、小さいけれどおいしい店のひとつに
選んでいただきました。
「いまどきのコーヒーショップ」とは認知されていないけれど、
きちんとした取材をしてくださるこれらの雑誌にご紹介いただけたことは
なんとありがたいことか!と嬉しくなりました。
実際に通販のご注文も増え、あぁ、これからも頑張っていこう!と思えた出来事でした。

そして、5月には念願のNYへ!コーヒー三昧の旅をしてきました。
シアトル系ではない、アメリカの今のコーヒーに触れることが出来ました。
ここ数年、日本のコーヒー界の主要な指針となった
スペシャリティコーヒーの流れはアメリカからやってきたもの。
当店でもスペシャリティコーヒーを扱いつつ、セミナーやトレーニングに参加する中で
「じゃあ今、アメリカでおいしいと思われてるコーヒーってどんな味なのか?」を
実際に味わってみたいと思っていたのです。

旅の一番の収穫は、アメリカにおけるコーヒーが、ただかっこいいだけではなく
人々の生活に密着し、当たり前に飲まれているものだと感じたことです。
日本やヨーロッパの風景の中にあるスターバックスなどのコーヒーショップは
いかにも「新しいトレンド」という輝きを放っています。
ですが、ブルックリンでマニアックにおいしいコーヒーを追求するGimme!や、
独特の世界観を表現するStumptownは、確かにかっこいいけれど
今風とか流行と関係なく、ただその店らしくあり、気負い無く見えたのです。
そして、そここそが一番私が「かっこいい」と思った点なのでした。

日本に帰ってからこの1年、東京にはコーヒーショップがさらに増えました。
すでに成功している店の2号店(ロースターとしても含め)や、
キャップにスケボーのお兄さんが似合いそうなコーヒースタンドなどなど。
コーヒーを入れるマシンにもこだわって、豆も珍しいものをそろえて。
はぁ、かっこいいよね、ワクワクするよね・・・というお店ばかり。
かっこいいだけでなくちゃんと勉強もしてるし、文句のつけようもない。
古い建物を自分達で改装した、リノベーション系カフェ(うちみたいな?)は過去のものか。
景気が良くなったのか、お金のある人たちがコーヒー業界に乗り込んできたのか。
うん、いいんじゃないかな。清潔で、さわやかで。イケメン店員も多いし・・・
これがこの頃言われている、「サードウェイブ系」コーヒー店なのだろう。

確かにそれらの店はかっこいいけれど、うちがそれを目指すか?というと違う気がする。
ならば、どんな店を目指すのか???
なんだかそんなことばかり考えていたこの1年だった気がします。
うちらしさってなんだろう、何が私の思うかっこよさだろう。

最初に思ったのは、自分の周りの小さなコミュニティを大切にしようということ。
それこそが、うちの店らしさに繋がるのではないだろうかと。
ものづくりをしている仲間達と、共に仕事をしていくこと。
仕事を通じて、また共感できる人々と出会うこと。
その積み重ねが、お客様にとっても、仲間と自分にとっても
魅力ある心地よい店作りに繋がるだろう。
だから、普段の仕事と同じくらいのエネルギーで
「季節のコーヒー」をテーマに小さな挑戦を続けることにしました。

そしてこの頃思うのは、個性とかオリジナリティというものは、
時代や流行を見ていて出てくるものじゃないということ。
1人で黙々と、自分が良いと思えるものと向き合っていくと、
自ずと周りとは違う特徴が際立ってくる、それが個性なんだと。
「うちらしさ」なんて、作ろうとして作れるものじゃないし、
作らなくても必ずあるものなんだと。
手っ取り早く目立とうとするから、きらきら輝くものを欲しくなるけれど、
いつでも流行最先端の、オープンしたての店でいる方法なんてない。
10年経ってるけど、なんだかいいね。古くないね、という店になるために。
すぐにはたどり着けないものを目指して、日々を重ねていくしかないのだろう。

先日、とあるWebマガジンで当店を
「サードウェイブ系コーヒーショップ」としてご紹介いただきました。
果たして、当店はサードウェイブ系なのかどうか。
調べてみたところ、サードウェイブの定義のひとつには
非チェーン店系の、おいしさを追求する小さな店というものもあるような。
一杯のコーヒーに、どこまでおいしさ、豊かさを詰め込めるか。
堅苦しくない、マニアックでないことも含めて、当店らしいコーヒーを目指していくこと。
それもひとつの「新しい波」として、認めてもらえたのなら嬉しいです。
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by cafe_caraway | 2014-06-13 16:17 | coffeehour
半年で、少し変わった。
先日、某誌のコーヒー特集が発売になりましたね。
5年ぶりだというけれど、なんだかついこの間のような・・。
例のMAPにうちが載ってない!とすねていたら、お客様が慰めてくれました。
突っ張っているけれど、情けない店主です。でも嬉しかったなぁ~(笑)

さきほど、以前書いた「たまには、コーヒーのはなし。」を読み返してみました。
コーヒーの世界の新しい流れに、ついに大きな違和感を感じて
自分なりの立ち位置を模索していたようです。
新しくオープンする店をいくつか訪れるうちに、ある傾向を感じて。
目指しているところは素晴らしいけれど、自分が目指すところとぶつかる気がする。
でも何がぶつかっているのか。負け犬の遠吠えではないのか。
今もこの感覚は消えずにいるけれど、対応は少し違います。

その後、コーヒーに関わる人たちや、コーヒー好きの人たちとの対話を通じて
新しい情報に心を閉ざしてはいけないな、と思ったのです。
その情報をどう受け止め、自分はどうするかはその後考えればいいと。
何より自分はまだ、充分に未熟だということに気づいたのです。
プロになった以上、もう誰かに教えを乞うてはいけないと思っていたところもありました。
でも、そんな見栄や遠慮はいらないのではないかと。
そう思ってから、この秋はいくつか新しい場所に足を運び、教えて頂いています。
新しい本も買って、勉強もしようと・・。(こちらはなかなか進んでいませんが(笑))

好奇心もありつつ、どこかで安住して自分の空間に閉じこもりたいという気持ちも強い私。
でも、ずっと閉じこもっていたら水が濁ってしまう。
時々窓を開け、風を入れ替えたら部屋を整える。それを繰り返す。
生ぬるい室温が奪われて、寒くて不安になったけど、それを心地よいと思ってみよう。
また最初から始めよう。今はそんな風に考えています。
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by cafe_caraway | 2012-11-01 09:36 | coffeehour
まつりが終わって。
昨日は「コーヒーデイズ2012」の最終日でした。
この日は「かうひい堂」さんをゲストとしてお招きして、
小さな店内のテーブルがネルドリップのコーヒースタンドとなりました。

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途切れなく訪れて下さる皆さんに囲まれて、ひたむきにドリップする姿。
それを見つめる方々の、うっとりとした様子。
音楽の演奏を眺めるような、手品師の魔法を見つめるような、
静かで穏やかで、それでいて熱い気配が立ち上る不思議な空間になっていました。

時々、自分の店なのだけど、そういうことを超えて
何かを目撃しているような気持ちになる瞬間があります。
昨日はまさにそれでした。何かが起こった日でした。
立ち会ってくださった皆さんがもたらした、奇跡。
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by cafe_caraway | 2012-10-08 12:01 | coffeehour
これまでも、これからも。
前回のブログ投稿は、改装前でした。
5月に店を再開し、7月に正式「リオープン」しました。
そして8月。夏休みも終えて店は通常営業。写真展開催中です。

改装したら「なにか面白いことも起きるかもしれない。」なんて書いていましたね。
今では最初からこういう内装だった気がするくらい日常となっている店内。
時折、改装後はじめてご来店下さるお客様の表情を見て、
「あ、変わったんだった」と思い出すくらいです。

きっと、面白いことはやってくるのではなくて、自分から見つけ出すもの。
でも、探しても見つからないこともあるから、それはやはり出会い。

+++
はじまりは、昨年出版された書籍、「コーヒーピープル」でした。
昨年の8月に著者の川口葉子さんからご連絡を頂いて、
店でお会いした時に取材のお話しを頂きました。
それは、わたしにとって「音の無い雷に打たれる」ようなことでした。

わたしの子供時代は、比較的恵まれたものだったにも関わらず、
いつも、どこか違和感を感じ続けていました。
そしてそのまま大人になり、25歳の夏。
わたしは、自分が間違った場所にいることをはっきりと悟りました。
自分が進むべきでない道に立ち、ともに歩むべきでない人たちと居ることを。
おりしもその年は1999年、この世の終わりと予言されていた年でした。
私の歩む道はどこにあるのだろう?共に歩む人はどこにいるのだろう?
探しても見つからず、くじけそうになる度に私に力を与え、道を示してくれたのは
インターネットの世界でした。
川口さんが主宰されるWebサイト「東京カフェマニア」に集う大人たちは、
周りにいる大人とは違っていました。
美しいものを愛し、言葉遣いや振る舞いはユーモアと機知に富んでいると感じました。
こういう人達と出会い、話を聞きたい。こんな大人になりたい。
するとその願いに橋渡しをしてくれる人が現れて、
現実にその方々とお会いすることが出来たのでした。
憧れの場所で、憧れの方々と。特別な時間は、特別な出来事の始まりでした。

そして、そのきっかけをくれたのが「まきさん」でした。
コーヒーを自宅で焙煎している、コーヒー博士のような人。
まきさんは突然現れて、いや知らぬ間に現れていて
「気づきましたか?」とメッセージを残していく。
そして少しずつ顔を見せては、また去っていく。
それはまるで、昔話の妖精のしわざのようでした。
わたしに必要な情報を教え、必要なものを届けてくれる。
(時には野良猫の写真なども・・)
助言と、言葉ではない手本を見せてくれる。
そうして気づけば、私はコーヒーに“ちょっと興味がある”だけのはずが、
いつしかきっちりと向き合うことになっていたのでした。

コーヒーピープル」の最後の登場人物、それがまきさんです。
一人ひとりのコーヒーピープルの、コーヒーとの出会いと取組を綴ったこの本には
川口さんご自身のこれまでも映し出されているように思います。
(より古い世代のコーヒーピープルの方々については、
 これから改めてお書きになるのではと思っていますが・・!)
「コーヒーピープル」はわたしにとって、ずっと見上げてきた大人たちの歴史でもあります。
わたしの知るコーヒーピープルの背後には、常にまきさんの影がよぎります。
川口さんのご本に、まきさんと共に自分のことを紹介して頂けること。
それは今の私にとっても、あの頃の私にとっても、
強い光と衝撃に打たれるような出来事だったのです。

+++

本が出版され、しばらくしてまきさんが店に来て下さった時。
「ここで何かやりませんか?」という言葉が自然と浮かんできて。
(考える前に言葉が出ていることが、わたしには時々あります)
すんなりと引き受けて下さったのは、きっとそうなるはずだったからではと。
10月7日に開催が決まり、現在準備を進めつつ、不安に駆られる時もあるのですが
こうして振り返れば、そんな風に信じることも出来そうな気がします。
また川口さんに、ありがたいお力添えを頂きました!
当時、まきさんが東京カフェマニアのサイト上で連載していた
「SWEET COFFEE」の記事を、復活させて下さったのです!→こちらからご覧下さい!
今のまきさんのお考えとは異なる点も多々あるようですが、
当時の喫茶店の雰囲気も含め、まきさんの世界を味わって頂けると思います!

改めてご紹介させて頂くと、まきさんこと内田牧さんは
かうひい堂」として活動されています。
コーヒーの焙煎、販売、そして時折イベント出展をなさっています。
また定期的にカフェでイベントもされています。
そこであえて当店にお越し頂くというのも僭越なのですが、
これはもう、やるしかないと腹をくくりました。
コーヒー店の中に、もうひとつコーヒー店が出現する。
これは、商売としては掟破りとしかいいようがないのですが。
そんな無茶も無茶でなくなるような企画にしたいと思います。

2003年の夏、「かうひい堂」は代官山の夢のような場所でスタートしました。
そこに居合わせることが出来たことは、私の自慢です。
それから9年後。わたしが作った小さな場所に「かうひい堂」が現れる。
これもまた夢のようなこと。その日まで、あと1ヶ月と少しです。
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by cafe_caraway | 2012-08-17 09:24 | coffeehour
たまには、コーヒーのはなし。
自分でも忘れかかっているこちらのブログ・・。
(店の情報などはこちらの公式ブログをご覧下さい)
それでも、時折覗いてくださる方がいるようなので、久々更新。

コーヒーを焙煎すること、味わうこと。
ただ自分で楽しんでいるだけなら、何も考えることは無いのですが
その経験や情報を誰かと共有したり、記録するとなると
数値化したり、分類したり、文字や図で表現出来るデータを取る必要がある。
めんどうくさがり、いいかげんの私ですら、コーヒーを焼き始めたころは
毎回タイムをとったり、テイスティングを数値で表したり・・をやっていた。
とは言え、正確な温度や、公式な表現には特殊な機器や訓練が必要となる。
工具片手にDIYしたり、どこかにお金を払って会員になったりは
意味あることとは言え、感性の自由を奪われると思い、
それに置き換わる方法を自分なりに探してきたと思う。

耳を澄まし、匂いをかぎ、舌が感じた刺激をイメージに置き換える。
これは、かつて関わっていた中国茶の影響もある。
お湯の温度は急須の底を触って確かめる。蓋の香り、器の残り香まで楽しむ。
体温の変化を感じ、感覚の変化、酔いを丹念に味わっていく。
こうして自分自身にデータと経験を積み重ねることで、分かることもある。
このコーヒーはおいしいのか、よく焼けているのか、何が悪いのか。
そこに迷いが生じなければ何よりも確かな指針となり、
それさえ分かっていれば、表面的な情報に惑わされることも少なくなる。

今は、コーヒーに関する情報がそこここに溢れている。
その名前、その評価、その数値は絶対的なものに見える。
でも、本当にそうなのか?もしそのデータが偽りであったら?
論理を信じるものは、論理にだまされる。
研究とは理解することではなく、常に疑うことにある。
情報には幅広く触れておく必要があり、決して怠ってはならないが
それを人に伝える時には全身で吸収して、再構成したものでなければならない。
人から聞いた話そのままを話す人を、わたしは信用することは出来ない。


今目の前にあるものを、ありのままに見ること。
よいものは祝福し、心から愛すること。
わるいものからも学ぶこと。批判しないこと。
そんな風にして、わたしは今日も、コーヒー、コーヒー、コーヒー。
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by cafe_caraway | 2012-03-09 10:11 | coffeehour
カフェの気配。
今日は、おかげさまで久々に何も無い月曜日。
雨降りなのをいいことに、おうちでこもっています。
本を読んだり、つまみ食いをしたり、
(なぜ家にいると、ちびちび何かを食べたくなってしまうんだろう)
あ、でもやっぱり・・お茶を飲みたくなりますね。
今日はコーヒーではなく、某パティスリーで手に入れた憧れのアールグレイです。
(なんで憧れかというと、というのは置いといて)
ポットできちんと、とも思ったのですが、
お茶パックに茶葉を詰めて、手作りティーバッグにして。
(この“お茶パック”っていう商品、もう少し素敵ならいいのに。
 布製で、縁が手縫いだったり、それは無理でもせめてパッケージやネーミングを・・
 自分で茶葉を詰めるのが楽しくなるような。)
それでもやっぱり、おいしいです。そういうのが、いいお茶だな。

今では小さくておんぼろでも「カフェ店主」などと名乗っておりますが、
もともと20代の頃はカフェが大好きで、カフェに憧れる一女子でありました。
カフェ本もカフェ雑誌も買い集め、カフェ巡りをしたり。
今でもその気持ちは心のどこかにあって、たまに気になる特集があれば雑誌を買います。
もちろんただのカフェ好きとして読んでいるけれど、
業界研究とまでは行かずとも、今の皆の気分が分かって勉強にもなりますね。
ただ、自分発のアイディア(まだ実現はしてないけれど)と思っていたら
同じことが大きく取り上げられていたり、実際そういう店があったりすると
かなりがっかりしますね。競争ではないけど、真似したとは思われたくない。

今日も紅茶を片手に先日買ったカフェ特集誌を読み始めたのですが・・。
どの店もこの店も素敵だわぁ、行きたいなぁと思いつつ、
知っているお店については、あれれと思うこともあるわけで。
プロの作る誌面は本当に魅力的で、実際以上になってしまうこともあり、
あるいはそのお店の一面を捉えているに過ぎないので
「もっといい店なのに!」もあれば「・・そうかなぁ。」と思うことも。
やっぱり実際に行ってみなければ分からないよなぁ、なんて思ったりしています。
それもね、1回じゃダメだと思うんですよ。本当に。

私がはじめてのお店に入る時は、おそらく必要以上に身構えています。
変に期待しすぎないように、とか、はしゃぎ過ぎないように、とか。
でも、その一方で私が感覚を研ぎ澄ませていることがあります。
それは、カフェに漂う気配。
そこには多分に人間が関わっています。
カフェのオーナーであり、スタッフであり、居合わせる人々であり。
そこで交わされる会話や一挙一動に何か閉鎖的なものや
苛立ち、投げやり、諦めなど・・不穏なものがないかどうか。
一杯のお茶、おやつ、食事にこもった気のようなもの。
私は何気ない顔をして友人とおしゃべりしながら、あるいは1人でぼんやりしながら
知らず知らずそう言ったものに全身で耳を澄ませているような気がします。
そこにいい空気が流れていて、明るい光を感じるなら。
薄く入ってしまった紅茶も、ちょっと焦げたケーキもきっと愛せるから。
行ってみたいなと思っていたお店で、あるいはたまたま近くに寄ったからのお店で、
気持ちのいい空間を感じることが出来たなら。
それは本当に幸運なこと。何より大切にしたいことです。

・・先ほど入れたアールグレイ、こうして文章を書きながら飲んでいたら
あっという間、もうじき無くなりそう。
「もう一杯お願いします」
ここがカフェなら、そう声を掛ける頃ですね。あぁ、ポットで頼んでおけばよかった。

こうしてカフェに思いを馳せていた今、私は本でも読んでいるような感じで
「ここではないどこか」に心は旅立っていました。
私にとってカフェとは、一編の小説のようなもの。
ひとときその扉を開け、席について過ごす間に繰り広げられる物語。
疲れを癒し、喉の渇きを鎮め、手帳を片手に次の計画を練る実際的な場所でありながら、
その奥にある異世界からの呼び声に、何度私はうっかりと囚われたことでしょう。
しかしそんな一瞬の幻から、真実を知らされることもある。
たとえば20代の私は、自分の居るべき場所がここではないことに気づいてしまった。
今でも目の前に浮かぶのは真っ白なティーカップに注がれた、一杯の紅茶。
そこに自分の涙が落ちていくのを見たような気がしました。あくまでも、象徴的に。
あの時心が旅した先が、きっと今の私に繋がっていたような気がするのです。

そうして改めて思うのは、自分の店のこと。
おそらく不出来な私のことですから、時にはお客様は不快な思いをしたり
期待を裏切られたと感じてお帰りになることもあるでしょう。
そういう方には、心からお詫びを申し上げたいと思います。
ですがもしも、あのちょっとおかしな空間に、何か共感を感じて頂けたなら。
どうぞまた足を運んでください。
出来る限り、お望みになるような時間を提供したいと思います。

家から近いから、おいしいおやつがあるから、いろんな人が来るから。
店を気に入って下さるのは、どんな理由でも構わないのです。
あの場所には、思いつく限りのおたのしみを詰め込んでおりますので。
あいにくそれはゆったり座れるソファでもフォトジェニックなスウィーツでもなく、
店主のとびっきりの笑顔やら(笑)ほっこりするおもてなしでもないのですが。
たとえば、しんと静まり返ったコーヒーしかない時間。
それがおもてなしになる日もあると思っております。
賑やかなる日も静かなる日も、変わらず澄んだ気配の満ちた店であるように。
それが私の小さな誓いです。

・・本当は、
「店主は変わり者で店も狭いけど、コーヒーがおいしいからね。」
なんて言ってくださるお客様がいらしたら、とても嬉しいのですけどね。
さてと。2杯目は何を飲もうかな・・。
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by cafe_caraway | 2011-02-14 18:24 | coffeehour
コーヒーで、何を描く。
こちらでは、おひさしぶりです。
「コーヒー店・店主」としては書ききれないことを
書く場としてこちらを残しておきながら。
ここしばらくは、ずっと「店主」をやっていたのかも。
先日表のブログに書いた万感は、こちらに書いた方が良かったかな。

さて・・。
コーヒーって、どんな味がするでしょう?
え?「コーヒーの味」でしょう?と思われましたか?
もちろんそうなのですが、そうとも言えないんです。
最近オープンしているような、ぴかぴかのコーヒー屋さんで
コーヒーの説明を読んでみてください。
「ナッツのような」「レモンを思わせる」「花のような」・・。
コーヒーにこんな風味があるなんて、不思議ですよね。
でもあるんです。そんな風に例えられるような特徴が。
何かの味を伝えるのに、他のものを当てはめるのって不思議ですね。
りんごを食べて、「みかんのような酸味」とは言わないのに。
それは、コーヒーがそれだけ豊かな風味を持っていることの証明かもしれないし、
人々が「コーヒーの味」というものを明確に持っていないから、
他の知っている物に当てはめているだけなのかもしれないと思うのです。

色々な味のコーヒーが生まれることは、楽しいことですね。
それに伴って、どんなコーヒーが「おいしいコーヒー」かということも
多様化していきます。それも、意味のあることです。
でも、迷ってしまうことも増えると思うんですよね。
焙煎する人も、選ぶ人も、飲む人も・・。
そんな時、私はある人の言葉を思い出します。
「コーヒーらしいコーヒー」
どんな豆を選び、どんな味をえがこうとも、そこには
「コーヒーらしさ」が無くてはならない。
じゃあコーヒーらしさとは?と問うて、分からないはずはないと思う。
それは苦味とか、コクとか、個々の側面ではなく
「これはコーヒーだ」と思う、あるまとまりの感覚。
コーヒーの香り、コーヒーの色、コーヒーの飲み心地、コーヒーのもたらす気分。

それでも、それを越えて新しい味を描く人がいる。
ある人のコーヒーは、たとえばあるお酒を思わせる味を作っている。
舌の上で転がして、心地よい。余韻をしみじみと味わえる。
香水で言えば、トップノートだけでなくアフターノートまで味わえるような。
なんてロマンチックなコーヒーだろう。
コーヒーの持っている要素をただ並べるだけでなく、
調合することで新しい世界を生み出しているのだから。
と言っても、数種の豆をブレンドして作るのではないのです。
焙煎の仕方だけで、どの部分を引き出し、組み合わせるか。
あるコーヒーに「レモン」の酸味があるなら、
そのレモンをどう使うのかということ。
レモンピールのパウンドケーキを作ったり、
ジンに絞ってドライなカクテルを作ったり。
それを「コーヒーの味」という揺らぎない感覚の中で表現する。
それには繊細な味の感覚と研究、的確な技術が必要とされるのです。

そこでまず、わたしは・・。
味わう、ということを改めて見直さねばなりません。
まだまだ先は長い。私は私の道を歩かなければならない。

***

これが「コーヒー店・店主」の言葉ではないのかって?
・・違います。ただのコーヒー好きのぼやきでした。
あまり「発言」はしないようにと思いつつ、この思いを忘れないように記します。
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by cafe_caraway | 2010-12-10 10:38 | coffeehour
coffeeのために、coffeeのための。

COFFEE & MUSIC

ジアナ・ヴィスカルヂ&ミハエル・フジシュカ / Rambling RECORS



↑「ライフログ機能」を初めて使ってみました。

カフェ・ヴィヴモン・ディモンシュさんの15周年記念として作成された
このアルバム。先行販売を利用して購入しました。
すべての歌に、cofeeやcafeといった歌詞が出てきます。
あまりに真正面な取組に、くすりと笑ってしまいそうなのだけど
再生ボタンを押したその直後から、ひねくれ心は吹き飛び、口をつぐんだ私。
じわりと心に涙が浮かぶほど、いい曲ばかりなんです。
いえ、曲の良さも当然のこと、このボーカル、このアレンジ。
そしてこの選曲がわたしをノック・アウトしているに違いありません。

他のカフェのためのアルバムを、自分の店で流していいものか?
と迷いましたが、敬愛するカフェへの思いを込めて、
そしてコーヒーへの愛を込めて、毎日のようにかけて
鼻歌交じりに聴いています。
・・やっぱり、コーヒーっていいよね。

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by cafe_caraway | 2009-10-25 14:24 | coffeehour
コーヒーが飲める郵便局?
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昨年のEkocaさんイベントでお話させて頂いたご縁で、
先日ガラス作家の大西美雪さんがお店に来て下さいました。
(お店に飾っているキャンドルスタンドも大西さんの作品です!)
春らしい、ラナンキュラスがいっぱいの花束を手に、
ご近所にお住まいのお友達夫妻と一緒に来てくださって、
新しいご縁を繋いで頂きました。

そして以前から伺っていた、旦那様のつくばでのコーヒー店オープンのこと。
「梅の咲く頃がおすすめ」とお聞きしていました。
2月になり、早速いそいそと登山靴を履いて車に乗り込み
筑波山とコーヒーを巡る旅に出ることにしました。
うねうねと続く古い街道沿いに、その建物はありました。
三角屋根の、かわいい郵便局。配達に行くような自転車も置かれているけれど
ここが今ではコーヒー屋さんなのです。
手回しロースターで焼いた深煎りのコーヒーと、おいしいごはん。
清潔に整えられた店内は、新しくて、懐かしい。
町と建物にストーリーのあるお店は、わたしの憧れなのです。
季節ごとに伺いたくなる素敵なお店でした。

カフェ・ポステン
茨城県つくば市北条183
tel/fax:029-867-5565
open:11:00〜19:00  火曜定休



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by cafe_caraway | 2009-02-18 11:07 | coffeehour
紅茶屋さんからの贈り物。
2週間に亘るイベントも無事に終了し、充実感と開放感を味わっています。
イベント中、とても嬉しいお届け物が・・!
紅茶屋(べにちゃや)さんのスコーン。以前頂いて、大ファンになりました。
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coffee carawayのお店では、時々焼き菓子として
関口ベーカリーさんのショートブレッドをお出ししています。
ショートブレッドと言えばイギリスのお菓子で
紅茶と頂くのが定番ですが、コーヒーにもよく合うのです。
こちらのスコーンも、まさに正統派のスコーン。
やはりミルクティなど紅茶と頂くのが最高です。
ですが、この日はあえてコーヒーを淹れて。
コーヒーもお好きな紅茶屋のAさんなら、きっと許して下さるでしょう。
お味は?もちろん最高でした。Aさん、ごちそうさまでした!

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友人手作りのりんごジャムを添えて・・。
今はまだ、ひっそりとブログ
紹介されていて、お店などはありません。
でもいずれ、どこかのお店で手に取ったり
通販して頂ける日も来るでしょう。
その日が今からとっても待ち遠しい私です!







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by cafe_caraway | 2009-02-16 22:44 | coffeehour



coffee caraway     目黒区上目黒5-32-4  水~土曜、13~18時営業 http://c-caraway.com/
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