カフェの気配。
今日は、おかげさまで久々に何も無い月曜日。
雨降りなのをいいことに、おうちでこもっています。
本を読んだり、つまみ食いをしたり、
(なぜ家にいると、ちびちび何かを食べたくなってしまうんだろう)
あ、でもやっぱり・・お茶を飲みたくなりますね。
今日はコーヒーではなく、某パティスリーで手に入れた憧れのアールグレイです。
(なんで憧れかというと、というのは置いといて)
ポットできちんと、とも思ったのですが、
お茶パックに茶葉を詰めて、手作りティーバッグにして。
(この“お茶パック”っていう商品、もう少し素敵ならいいのに。
 布製で、縁が手縫いだったり、それは無理でもせめてパッケージやネーミングを・・
 自分で茶葉を詰めるのが楽しくなるような。)
それでもやっぱり、おいしいです。そういうのが、いいお茶だな。

今では小さくておんぼろでも「カフェ店主」などと名乗っておりますが、
もともと20代の頃はカフェが大好きで、カフェに憧れる一女子でありました。
カフェ本もカフェ雑誌も買い集め、カフェ巡りをしたり。
今でもその気持ちは心のどこかにあって、たまに気になる特集があれば雑誌を買います。
もちろんただのカフェ好きとして読んでいるけれど、
業界研究とまでは行かずとも、今の皆の気分が分かって勉強にもなりますね。
ただ、自分発のアイディア(まだ実現はしてないけれど)と思っていたら
同じことが大きく取り上げられていたり、実際そういう店があったりすると
かなりがっかりしますね。競争ではないけど、真似したとは思われたくない。

今日も紅茶を片手に先日買ったカフェ特集誌を読み始めたのですが・・。
どの店もこの店も素敵だわぁ、行きたいなぁと思いつつ、
知っているお店については、あれれと思うこともあるわけで。
プロの作る誌面は本当に魅力的で、実際以上になってしまうこともあり、
あるいはそのお店の一面を捉えているに過ぎないので
「もっといい店なのに!」もあれば「・・そうかなぁ。」と思うことも。
やっぱり実際に行ってみなければ分からないよなぁ、なんて思ったりしています。
それもね、1回じゃダメだと思うんですよ。本当に。

私がはじめてのお店に入る時は、おそらく必要以上に身構えています。
変に期待しすぎないように、とか、はしゃぎ過ぎないように、とか。
でも、その一方で私が感覚を研ぎ澄ませていることがあります。
それは、カフェに漂う気配。
そこには多分に人間が関わっています。
カフェのオーナーであり、スタッフであり、居合わせる人々であり。
そこで交わされる会話や一挙一動に何か閉鎖的なものや
苛立ち、投げやり、諦めなど・・不穏なものがないかどうか。
一杯のお茶、おやつ、食事にこもった気のようなもの。
私は何気ない顔をして友人とおしゃべりしながら、あるいは1人でぼんやりしながら
知らず知らずそう言ったものに全身で耳を澄ませているような気がします。
そこにいい空気が流れていて、明るい光を感じるなら。
薄く入ってしまった紅茶も、ちょっと焦げたケーキもきっと愛せるから。
行ってみたいなと思っていたお店で、あるいはたまたま近くに寄ったからのお店で、
気持ちのいい空間を感じることが出来たなら。
それは本当に幸運なこと。何より大切にしたいことです。

・・先ほど入れたアールグレイ、こうして文章を書きながら飲んでいたら
あっという間、もうじき無くなりそう。
「もう一杯お願いします」
ここがカフェなら、そう声を掛ける頃ですね。あぁ、ポットで頼んでおけばよかった。

こうしてカフェに思いを馳せていた今、私は本でも読んでいるような感じで
「ここではないどこか」に心は旅立っていました。
私にとってカフェとは、一編の小説のようなもの。
ひとときその扉を開け、席について過ごす間に繰り広げられる物語。
疲れを癒し、喉の渇きを鎮め、手帳を片手に次の計画を練る実際的な場所でありながら、
その奥にある異世界からの呼び声に、何度私はうっかりと囚われたことでしょう。
しかしそんな一瞬の幻から、真実を知らされることもある。
たとえば20代の私は、自分の居るべき場所がここではないことに気づいてしまった。
今でも目の前に浮かぶのは真っ白なティーカップに注がれた、一杯の紅茶。
そこに自分の涙が落ちていくのを見たような気がしました。あくまでも、象徴的に。
あの時心が旅した先が、きっと今の私に繋がっていたような気がするのです。

そうして改めて思うのは、自分の店のこと。
おそらく不出来な私のことですから、時にはお客様は不快な思いをしたり
期待を裏切られたと感じてお帰りになることもあるでしょう。
そういう方には、心からお詫びを申し上げたいと思います。
ですがもしも、あのちょっとおかしな空間に、何か共感を感じて頂けたなら。
どうぞまた足を運んでください。
出来る限り、お望みになるような時間を提供したいと思います。

家から近いから、おいしいおやつがあるから、いろんな人が来るから。
店を気に入って下さるのは、どんな理由でも構わないのです。
あの場所には、思いつく限りのおたのしみを詰め込んでおりますので。
あいにくそれはゆったり座れるソファでもフォトジェニックなスウィーツでもなく、
店主のとびっきりの笑顔やら(笑)ほっこりするおもてなしでもないのですが。
たとえば、しんと静まり返ったコーヒーしかない時間。
それがおもてなしになる日もあると思っております。
賑やかなる日も静かなる日も、変わらず澄んだ気配の満ちた店であるように。
それが私の小さな誓いです。

・・本当は、
「店主は変わり者で店も狭いけど、コーヒーがおいしいからね。」
なんて言ってくださるお客様がいらしたら、とても嬉しいのですけどね。
さてと。2杯目は何を飲もうかな・・。
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by cafe_caraway | 2011-02-14 18:24 | coffeehour
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