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これまでも、これからも。
前回のブログ投稿は、改装前でした。
5月に店を再開し、7月に正式「リオープン」しました。
そして8月。夏休みも終えて店は通常営業。写真展開催中です。

改装したら「なにか面白いことも起きるかもしれない。」なんて書いていましたね。
今では最初からこういう内装だった気がするくらい日常となっている店内。
時折、改装後はじめてご来店下さるお客様の表情を見て、
「あ、変わったんだった」と思い出すくらいです。

きっと、面白いことはやってくるのではなくて、自分から見つけ出すもの。
でも、探しても見つからないこともあるから、それはやはり出会い。

+++
はじまりは、昨年出版された書籍、「コーヒーピープル」でした。
昨年の8月に著者の川口葉子さんからご連絡を頂いて、
店でお会いした時に取材のお話しを頂きました。
それは、わたしにとって「音の無い雷に打たれる」ようなことでした。

わたしの子供時代は、比較的恵まれたものだったにも関わらず、
いつも、どこか違和感を感じ続けていました。
そしてそのまま大人になり、25歳の夏。
わたしは、自分が間違った場所にいることをはっきりと悟りました。
自分が進むべきでない道に立ち、ともに歩むべきでない人たちと居ることを。
おりしもその年は1999年、この世の終わりと予言されていた年でした。
私の歩む道はどこにあるのだろう?共に歩む人はどこにいるのだろう?
探しても見つからず、くじけそうになる度に私に力を与え、道を示してくれたのは
インターネットの世界でした。
川口さんが主宰されるWebサイト「東京カフェマニア」に集う大人たちは、
周りにいる大人とは違っていました。
美しいものを愛し、言葉遣いや振る舞いはユーモアと機知に富んでいると感じました。
こういう人達と出会い、話を聞きたい。こんな大人になりたい。
するとその願いに橋渡しをしてくれる人が現れて、
現実にその方々とお会いすることが出来たのでした。
憧れの場所で、憧れの方々と。特別な時間は、特別な出来事の始まりでした。

そして、そのきっかけをくれたのが「まきさん」でした。
コーヒーを自宅で焙煎している、コーヒー博士のような人。
まきさんは突然現れて、いや知らぬ間に現れていて
「気づきましたか?」とメッセージを残していく。
そして少しずつ顔を見せては、また去っていく。
それはまるで、昔話の妖精のしわざのようでした。
わたしに必要な情報を教え、必要なものを届けてくれる。
(時には野良猫の写真なども・・)
助言と、言葉ではない手本を見せてくれる。
そうして気づけば、私はコーヒーに“ちょっと興味がある”だけのはずが、
いつしかきっちりと向き合うことになっていたのでした。

コーヒーピープル」の最後の登場人物、それがまきさんです。
一人ひとりのコーヒーピープルの、コーヒーとの出会いと取組を綴ったこの本には
川口さんご自身のこれまでも映し出されているように思います。
(より古い世代のコーヒーピープルの方々については、
 これから改めてお書きになるのではと思っていますが・・!)
「コーヒーピープル」はわたしにとって、ずっと見上げてきた大人たちの歴史でもあります。
わたしの知るコーヒーピープルの背後には、常にまきさんの影がよぎります。
川口さんのご本に、まきさんと共に自分のことを紹介して頂けること。
それは今の私にとっても、あの頃の私にとっても、
強い光と衝撃に打たれるような出来事だったのです。

+++

本が出版され、しばらくしてまきさんが店に来て下さった時。
「ここで何かやりませんか?」という言葉が自然と浮かんできて。
(考える前に言葉が出ていることが、わたしには時々あります)
すんなりと引き受けて下さったのは、きっとそうなるはずだったからではと。
10月7日に開催が決まり、現在準備を進めつつ、不安に駆られる時もあるのですが
こうして振り返れば、そんな風に信じることも出来そうな気がします。
また川口さんに、ありがたいお力添えを頂きました!
当時、まきさんが東京カフェマニアのサイト上で連載していた
「SWEET COFFEE」の記事を、復活させて下さったのです!→こちらからご覧下さい!
今のまきさんのお考えとは異なる点も多々あるようですが、
当時の喫茶店の雰囲気も含め、まきさんの世界を味わって頂けると思います!

改めてご紹介させて頂くと、まきさんこと内田牧さんは
かうひい堂」として活動されています。
コーヒーの焙煎、販売、そして時折イベント出展をなさっています。
また定期的にカフェでイベントもされています。
そこであえて当店にお越し頂くというのも僭越なのですが、
これはもう、やるしかないと腹をくくりました。
コーヒー店の中に、もうひとつコーヒー店が出現する。
これは、商売としては掟破りとしかいいようがないのですが。
そんな無茶も無茶でなくなるような企画にしたいと思います。

2003年の夏、「かうひい堂」は代官山の夢のような場所でスタートしました。
そこに居合わせることが出来たことは、私の自慢です。
それから9年後。わたしが作った小さな場所に「かうひい堂」が現れる。
これもまた夢のようなこと。その日まで、あと1ヶ月と少しです。
by cafe_caraway | 2012-08-17 09:24 | coffeehour
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