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「好きを仕事にする」
今週、ある料理研究家の方のエッセイ出版によせたお話会に伺った。
その人のお仕事の仕方や料理への考え方について伺って、
頭の中でがーん!と音が鳴るほど考え方の転換が出来た。
本当に、行ってよかったー、な時間でした。お誘い下さった方に感謝です。

そして。
料理のことだけでなく、生き方についてもたくさんの示唆を受け取った。
その中で覚えていたいことを書いておきます。
これを読む方にも伝わったらいいなぁ。

私が20代の頃は、雑誌のタイトルなんかに
「好きを仕事にする!」なんてフレーズがよく出てました。
そういう考えは甘いと言われる気がしたけど、
当時心の奥底で望んでいたことがそれだったので、
そう思うのは私だけじゃないんだなーなんて思ったものです。
でも、好きを仕事にするって難しいな、
生活していけるだけの収入を得るには仕事が限定されるし、
好きな仕事に就いても、好きな事だけ出来るわけじゃないし・・とも思っていて。

その料理の方は、小さい頃から料理が大好きだったけれど、
料理を仕事にしたくない!と思っていたのだそう。
仕事にすることで、自分の理想が壊されるのではとか、
自分の望むようには出来ないのではと思っていたとか。
しかし、とある事情で自ら働かざるを得なくなり、
奥の手と思っていた料理を仕事にするしかないと思い、
時間が自由になる、食品の卸売りから始めたのだそうです。
(自分で飲食店を開くと、毎日一日中店にいなければなりません。
 私が20代でカフェ経営を諦めた理由のひとつです。)

そこから様々な経験と出会いをなさって、今では料理は天職と思うそう。
それは、自分が信じるとおりにやっていっても、
周りの人が支えてくれて仕事になることが分かったからと。
そしてそうやって好きだと思うことをやっていくと
たくさんの奇跡か起こると知ったから。
そして今は夢や目標は全て叶ったからもう持っていなくて、
与えられることや起こることを何でも、前向きに受け止めていけるようになったと
おっしゃっていました。それを楽しめるという、自信が伝わってきました。
その方の人生は、決して順風満帆というわけではなかったようなのですが、
何かが起こるたびに立ち上がり、チャンスとあれば全力で臨んで来られたのでしょう。
そして常に「自分がどうしたいのか」と向き合い、その実現に挑んできたのだと思うのです。

私はといえば、その方とは比べ物にならないほど小さなスケールで生きているけれど、
自分がどうしたいのかについて、仕事と家族については常に考えてきたと思う。
その中では、確かに自分がよいと思うことをやっていいのだ、
迷った時はそれを信じるしかないのだと思えるようになってきた。
ただ、その後他の人と話していて気づいたのだけれど、
対人関係においてはその経験を全く生かせてないのでは?と思ったのだ。
自分が人との関係についても、こんな友人になりたい、
こんな風に一緒に過ごしたいという願いは確かに持っていたはずなのだ。
でも、その実現には相手のあることで、自分の思い通りにはならないと諦めていた。
また自分の願いを叶えるために、相手に合わせなければならないことを億劫に感じていた。
だからほどほどに付き合うか、関わるのをやめるかの2択しかなかった。
仲良くなるより、距離を置いて諦める方が得意だったのだ。

好き(=願望)を仕事(=現実)にすること。
そんなこと、しなくたっていいのかもしれない。
今のままで生きられるなら、きっとそれもいい。
好きを仕事にするのは、それが正しいからじゃない。
そうしなくては生きられないから、そうでないことが辛くてたまらないから
必死で、無我夢中で、それに挑んでいく人たちがいるのだ。
私はまだまだ、その道の途中。
少しずつでも、私は今度は人々の中に自分の道を見出していきたいと思い始めたところだ。

+++

付記;その会の翌日にtwitterに綴った、私が受け取ったメッセージ。

「自分の興味を突き詰め、イメージを実現することを繰り返していくとたくさんの奇跡が起こる。
 その経験を通じて、自分に与えられる素材や出来事がどんなものであろうと前向きに
 受け止めることが出来るようになる。・・そういう自信が持てたら、日々はどんなに輝くだろう。 この世界に悪いものなんてない!」
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by cafe_caraway | 2011-02-27 18:06 | つれづれ
カフェの気配。
今日は、おかげさまで久々に何も無い月曜日。
雨降りなのをいいことに、おうちでこもっています。
本を読んだり、つまみ食いをしたり、
(なぜ家にいると、ちびちび何かを食べたくなってしまうんだろう)
あ、でもやっぱり・・お茶を飲みたくなりますね。
今日はコーヒーではなく、某パティスリーで手に入れた憧れのアールグレイです。
(なんで憧れかというと、というのは置いといて)
ポットできちんと、とも思ったのですが、
お茶パックに茶葉を詰めて、手作りティーバッグにして。
(この“お茶パック”っていう商品、もう少し素敵ならいいのに。
 布製で、縁が手縫いだったり、それは無理でもせめてパッケージやネーミングを・・
 自分で茶葉を詰めるのが楽しくなるような。)
それでもやっぱり、おいしいです。そういうのが、いいお茶だな。

今では小さくておんぼろでも「カフェ店主」などと名乗っておりますが、
もともと20代の頃はカフェが大好きで、カフェに憧れる一女子でありました。
カフェ本もカフェ雑誌も買い集め、カフェ巡りをしたり。
今でもその気持ちは心のどこかにあって、たまに気になる特集があれば雑誌を買います。
もちろんただのカフェ好きとして読んでいるけれど、
業界研究とまでは行かずとも、今の皆の気分が分かって勉強にもなりますね。
ただ、自分発のアイディア(まだ実現はしてないけれど)と思っていたら
同じことが大きく取り上げられていたり、実際そういう店があったりすると
かなりがっかりしますね。競争ではないけど、真似したとは思われたくない。

今日も紅茶を片手に先日買ったカフェ特集誌を読み始めたのですが・・。
どの店もこの店も素敵だわぁ、行きたいなぁと思いつつ、
知っているお店については、あれれと思うこともあるわけで。
プロの作る誌面は本当に魅力的で、実際以上になってしまうこともあり、
あるいはそのお店の一面を捉えているに過ぎないので
「もっといい店なのに!」もあれば「・・そうかなぁ。」と思うことも。
やっぱり実際に行ってみなければ分からないよなぁ、なんて思ったりしています。
それもね、1回じゃダメだと思うんですよ。本当に。

私がはじめてのお店に入る時は、おそらく必要以上に身構えています。
変に期待しすぎないように、とか、はしゃぎ過ぎないように、とか。
でも、その一方で私が感覚を研ぎ澄ませていることがあります。
それは、カフェに漂う気配。
そこには多分に人間が関わっています。
カフェのオーナーであり、スタッフであり、居合わせる人々であり。
そこで交わされる会話や一挙一動に何か閉鎖的なものや
苛立ち、投げやり、諦めなど・・不穏なものがないかどうか。
一杯のお茶、おやつ、食事にこもった気のようなもの。
私は何気ない顔をして友人とおしゃべりしながら、あるいは1人でぼんやりしながら
知らず知らずそう言ったものに全身で耳を澄ませているような気がします。
そこにいい空気が流れていて、明るい光を感じるなら。
薄く入ってしまった紅茶も、ちょっと焦げたケーキもきっと愛せるから。
行ってみたいなと思っていたお店で、あるいはたまたま近くに寄ったからのお店で、
気持ちのいい空間を感じることが出来たなら。
それは本当に幸運なこと。何より大切にしたいことです。

・・先ほど入れたアールグレイ、こうして文章を書きながら飲んでいたら
あっという間、もうじき無くなりそう。
「もう一杯お願いします」
ここがカフェなら、そう声を掛ける頃ですね。あぁ、ポットで頼んでおけばよかった。

こうしてカフェに思いを馳せていた今、私は本でも読んでいるような感じで
「ここではないどこか」に心は旅立っていました。
私にとってカフェとは、一編の小説のようなもの。
ひとときその扉を開け、席について過ごす間に繰り広げられる物語。
疲れを癒し、喉の渇きを鎮め、手帳を片手に次の計画を練る実際的な場所でありながら、
その奥にある異世界からの呼び声に、何度私はうっかりと囚われたことでしょう。
しかしそんな一瞬の幻から、真実を知らされることもある。
たとえば20代の私は、自分の居るべき場所がここではないことに気づいてしまった。
今でも目の前に浮かぶのは真っ白なティーカップに注がれた、一杯の紅茶。
そこに自分の涙が落ちていくのを見たような気がしました。あくまでも、象徴的に。
あの時心が旅した先が、きっと今の私に繋がっていたような気がするのです。

そうして改めて思うのは、自分の店のこと。
おそらく不出来な私のことですから、時にはお客様は不快な思いをしたり
期待を裏切られたと感じてお帰りになることもあるでしょう。
そういう方には、心からお詫びを申し上げたいと思います。
ですがもしも、あのちょっとおかしな空間に、何か共感を感じて頂けたなら。
どうぞまた足を運んでください。
出来る限り、お望みになるような時間を提供したいと思います。

家から近いから、おいしいおやつがあるから、いろんな人が来るから。
店を気に入って下さるのは、どんな理由でも構わないのです。
あの場所には、思いつく限りのおたのしみを詰め込んでおりますので。
あいにくそれはゆったり座れるソファでもフォトジェニックなスウィーツでもなく、
店主のとびっきりの笑顔やら(笑)ほっこりするおもてなしでもないのですが。
たとえば、しんと静まり返ったコーヒーしかない時間。
それがおもてなしになる日もあると思っております。
賑やかなる日も静かなる日も、変わらず澄んだ気配の満ちた店であるように。
それが私の小さな誓いです。

・・本当は、
「店主は変わり者で店も狭いけど、コーヒーがおいしいからね。」
なんて言ってくださるお客様がいらしたら、とても嬉しいのですけどね。
さてと。2杯目は何を飲もうかな・・。
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by cafe_caraway | 2011-02-14 18:24 | coffeehour



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